東京に集積したヴィンテージの服をまとい、普遍的な価値を考える

新しいものの生産に加えて、すでにある物資を使った循環型経済のひとつにヴィンテージ産業がある。それらが長く存在しているのは、旧時代のものづくりへの憂いや古いものに宿る経年の美、時間が過ぎても変わらないメッセージに人が心を動かされるからだ。希少性や偶然性に支えられる訴求力は、余りある資材を有意義に活用する使命感に勝るとも劣らない。残り続けるものを作り出す矜持と、残らないものを作り出す矜持が両立する優しい時代。何を選んでも、選ばなくても同様に1日は過ぎる。浪費で成り立つ今日の商いはやがてかすみ、語り継がれるべきもののみに淘汰されていくのだろうか。普遍的な価値を問い続けながら自己を追求している6人の表現者が着こなした。

東京ヴィンテージストア2024

視点を持つストアと考える、エターナルな服やその価値とこれから

さまざまな風土や歴史のもと、つくり手達の創造性が積み重なり巡り巡って東京に舞い降りたヴィンテージ。高級なブランド品からおまけのおもちゃまで、あらゆるものが思いのままに作られたものが新たな価値観に則って世の中に配されていく。創造を循環させる東京のストアが感じている意義、目的、優劣、羨望、正義、生活について６つのストアホルダーと考えてみた。それぞれのストアの趣旨を汲み取りつつ、自分なりの答えを導き出して欲しい。