Fashion

2025.03.31

一着に込めた思い、洋服に対する愛が深まるCOATEのクリエーション

photographer:GENKI NISHIKAWA
stylist:JUNKO KOBASHI
hair:MASAYO TSUDA
makeup:KAZUHIRO NAKA
model:MEL VAN ROEMBURG
words:ATSUSHI NAKAYAMA

一着に込めた思い、洋服に対する愛が深まるCOATEのクリエーション

「洗練された大人の装い」を謳うCOATE(コート)にはシンプルなデザインの中にエレガントさが見える。「その音の響きが自分達のクリエーションと合わさる」ことからつけた造語を冠し、デザイナーの福屋千春によって2015年に設立されたブランドだ。文化服装学院アパレルデザイン科を卒業後、大手アパレルメーカーにて経験を積み、自身のブランドとともに独立をした。近年では俳優の榮倉奈々が立ち上げたブランドnewnow(ニューナウ)でデザイナーとしても活躍をしている。繊細で美しい、そんな彼女のクリエーションを追う。

美しいシルエット、上品な大人の女性に向けたCOATEのコレクション

アウターからトップス、ドレスなど様々なシーンに合わせて楽しむことのできるCOATE。ミニマルながらも大胆さのあるデザイン性の高さは、デザイナー自身のクリエイティビティの現れと言える。2025年春夏コレクションで発表されたミニドレスは前後ろ着用可能で、スタイリングの仕方によって全く違う顔を見せる。正面部分に大きなカットが施されており、それを表で着用すれば胸元が覗くグラマラスな印象に、背面に持って来ればヘルシーな肌見せができる。
 
ウールとリネン混紡素材の特徴的なふっくらとした温かみのある質感に大きなボタンが輝く。レースのインナーやシャツを着れば、またそこで印象はガラッと変わる。ファッションを愛する人に何通りもの着方を提案してくれるアイテムは、ただ着るだけの服ではない、クリエイティブな機会を着る者に与える。

ブラックやアイボリーなどニュートラルなカラー展開がされており、流行に関係のない色合いだからこそ、購入者はアイテムと深く長い付き合いをすることができる。ショート丈のドレスや大胆なカットが施されたアイテム、モードでありながらも日常生活に取り入れることができ、各々によって個性のある着こなしをすることができる。その時の気分や年齢によって新たな一面を見せる装いは、30代で購入したドレスを40代でも、または、自身の子どもたちへと、次世代に繋ぎたい称賛すべきコレクション。

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CAPE, DRESS | COATE
SHOES | SERGIO ROSSI

一石三鳥なセミオーダーメイド

そんなCOATEは、2023年秋冬からセミオーダーメイドのブランドとして新たなスタートを切った。セミオーダーメイドとは、購入者が同じスタイルの中でもサイズ感やカラーを選ぶことができる。福屋は以前、繊研新聞社に「きれいな洋服を着ることに貪欲な女性に満足してもらいたい」と話している。セミオーダーで自分だけの洋服を拵(こしら)える、大量生産されている洋服に比べると、より一層愛着が湧く。写真の中に写っているモデルの服ではなく、あなたの身体に合わせて洋服が作られるのだ。流行を追って購入したプチプラのアイテムより、時間をかけてお金を貯めて得た念願の洋服は思い入れのある大切な宝物となる。
 
デザイン性の高さだけでなく、着心地の良さを追求した素材への強いこだわりがある。
COATEが選ぶ素材は、できるだけ環境に負荷のかからないない製造方法をしているファブリックメーカーから購入しており、国内の縫製師によって服作りが行われている。
大量生産が問題視されている中で、COATEは解決に限りなく近い方法で洋服を提供する。人間が作ったモノをうまく循環させ、地球と共存する。より多くのブランドがセミオーダーメイドを選択すれば、ゴミは減りわたしたちの衣服に対する意識も改築されていくだろう。
 
環境省によると、洋服一着あたりの製造につき、CO2の排出量は25.5kg、水の消費量は約2,300ℓ(浴槽11杯分)がかかると言われている。また、一人あたりの年間の洋服の購入枚数が18枚に対し、15枚の洋服は廃棄されているという調査結果が出ている。ごみに出された洋服の95%は、焼却されるか埋め立てられている。その量はなんと年間で445,000tにも及ぶ。セミオーダーメイドという制度をとるということは、消費者にとって生涯寄り添う洋服を作るということだけでなく、環境にやさしい選択を与えることとなる。ゴミは減り、無駄なエネルギーの消費を抑えられる、ブランドや消費者、そして地球にとってもベストな関係性を築くことができる。COATEは、tender partyが実施したTP VISAのアンケートでワンシーズンだけで使う生地を選ばないことで廃棄量を抑え、いつまでも購入者の手元に置きたくなるモノづくりを目標としていると回答してくれた。

セミオーダーで受注することに対し、ハードルが高いと感じる方も少なくはないだろう。しかし、強い意志を持って選んだ一着は、あなたにとってスペシャルな一着となる。
特別な意味を持った洋服は、あなたの記憶とともに生き続ける。日頃のご褒美として、ぜひ一度は体験してみてほしい。

【出典】
https://coate.jp
https://senken.co.jp/posts/coate-230713
https://www.fashion-press.net/brands/5797
https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/

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atsushi nakayama

writer

atsushi

1995年生まれ。高知県出身。アメリカ留学後、オーストラリアでワーキングホリデーを経験。2024年Tender Party参加。サステナブルとファッション関連担当。時々モデル。時々キャットシッター。

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