無地のベーシックなTシャツ。デニムに合わせたいシンプルな真っ白のTシャツや、場所を選ばない黒のTシャツ。一体何枚の無地のTシャツをクローゼットに収納しているのだろう。毎日に欠かせないアイテムを材料の産地から製造、染色までこだわり抜いたブランドがある。NDX(index®︎)は、ポルトガルで2021年にラズロ・ロンジーノ、イヴォ・セメニッチ、そしてマイケル・ギャレットの3人によってローンチされた。ベーシックなアイテムに込められたシンプルではない、彼らの強い想いとは。
ワンランク上のベーシックアイテムの背景
創立者の3人は、BALENCIAGAやSupremeなどの有名ブランドの製造と開発を手掛けるポルトガルの企業ROVOのメンバーでもある。Tシャツ、ロンT、フーディーにスウェット、シンプルなトップスをシグニチャーとしている。消費者の手元まで工場から直接発送されており、仲介業者を挟まない手法を選択。NDXはシンプルなアイテムこそが必需品と考えており、10年以上に渡って製造方法や設計技術を研究してきたブランドだ。「塵も積もれば山となる」という日本語のことわざのように、最高のクオリティを求めて日々フィット感や品質をこつこつ探求している。
シンプルなアイテムであっても、できるだけ永く着続けられる耐久性、日々を過ごしやすくなるような快適さ、最先端の技術を用いたNDXのアイテムは使い捨てられるようなベーシックアイテムとは大きく異なる。技術者、エンジニア、職人の一人一人がチームとして大きな夢をシェアしており、質と革命の限界を越えるための努力をしている。
最先端で環境に優しい染色方法
度重なる研究の結果、彼らは従来の持続可能な染色方法よりも更に、水の使用量が28%、蒸気量が31%、電力22%、そして製造にかかる時間を24%減少させることに成功した。最新機器を使用することにより、時間の節約はもちろん衣服の寿命自体を伸ばすことができる。1本の糸の軸の周りに繊維を配置し、ねじらせる。こうすることによって、糸と繊維は結合され強度の高い糸になる。ねじれを最適な強度まで高めることで、高品質のTシャツができあがる。100%オーガニック繊維で製造された衣料は、生態系の保護にも繋がる。NDXでは、一般的な生地ロールを一気に染める後染めとは違い、完成した衣服を染める製品染めを行うことで、縫い目などが染まり切らずよりユニークな仕上がりになる。「新しい製品である時点で持続可能ではない、代わりに持続可能なアプローチを遵守する」自社による厳格な視点によって、染色過程をより透明化するために、NDXでは全てのプロダクトに染料レシピと染料方法を記載している。
アイテムに記されるインデックス(指標)
NDXの全ての商品には、染料レシピだけでなくどのような方法で製造されているか細かく記載されている。例えばクラシックTシャツは、オーガニックコットン100%で作られており、仕上げにNaturally Clean®︎が施される。環境に優しい繊維化学薬品で耐久性が上がり、自然なコットンの肌触りになる。シュリンクとねじれを防ぐために有機ナノ樹脂を生地にいれ、初めてTシャツを着た時と同じような形が続くような工夫をしている。
使用される糸はring compact spinningによって編まれる。この機械は、毛羽立ちが少ない滑らかな糸にするだけでなく、染色の過程で染料を20%、化学薬品の使用量を30%減らすことができる。一見シンプルに見えるTシャツは、環境に負荷のかからない最新の技術の結果、通気性がよく着心地がよいアイテムなのだ。
ファッションには欠かせないベーシックでシンプルなアイテム。「安い」からといってストーリーのないブランドを選ぶのではなく、最新技術を用いて環境に優しく丈夫なベーシックアイテムを製造しているブランドに目を向けていきたい。
writer
Atsushi Nakayama
1995年生まれ。高知県出身。アメリカ留学後、オーストラリアでワーキングホリデーを経験。2024年Tender Party参加。サステナブルとファッション関連担当。時々モデル。時々キャットシッター。
BRAND NAME
GANNI
ガニー
COMPANY NAME
GANNI
ガニー
INFORMATION
2022年にB Corp認証取得。2024年に繊維から繊維へのリサイクルを可能に。 ヴァージンレザー廃止、VEGEATMやマイロTMなど廃棄物や自然由来のものから作られた新しい素材を積極的に採用。
Q_1
企業のサステナビリティ目標を教えてください。
2021年を基準に2027年までに50%の絶対的な炭素削減を目標とする第二のサステナビリティ戦略「GAMEPLAN 2.0」を立てています。
2024/11/06