特別な日のために身に着けるジュエリー、肌身離さず日常使いをするジュエリー、暮らしを華やかにさせお守りのような役目も持つジュエリー。きっと誰しも自分だけの特別なジュエリーを持っているはず。Tom Woodのジュエリーは、ミニマルなデザイン、肌にそっと馴染む機能美とついつい大人心をくすぐるようなエッセンスの効いたアイテムが特徴である。女性も男性も関係なくスタイルを追求する者に選ばれるジェンダーレスなアイテムは、あらゆる世代のファッショニスタたちからラブコールを受けている。多くの人をうっとりさせるTom Woodの魅力に迫っていく。
Tom Woodは、ファウンダーでありクリエイティブディレクターを務めるモナ・ヤンセンによって2013年にノルウェーのオスロで設立された。フィヨルドの先端部に位置し、海と緑の大自然と共存する美しい都市のひとつである。「北欧」という大きなキーワードから連想できるように、冬は寒く長い。そのため、彼女にとって機能性はとても重要なポイント。Tom Woodのジュエリーは、使い勝手がよくシンプルなため、シーンを選ばず、長い年月をかけて一人の消費者の元でゆっくり楽しむことができる。無機質ながらもどこかあたたかみがあるアイテムは北欧らしさを感じる。そんな自然豊かな地で生まれたジュエリーたちは、持続可能であることを前提に作られている。
環境に優しく、人に優しい
近年問題視されているジュエリー業界が抱える課題に水質汚染や温室効果ガスが挙げられるが、Tom Woodは創立して以来ずっと環境問題と向き合っている。サステナブルを時代が流れるようなファッション感覚として考えていないのだ。ジュエリー産業の背景には、貴金属や宝石を採掘する際に、大量の水やダイナマイト(Co2排出)が消費される。また、そういった現場では、危険で過酷な環境にもかかわらず低賃金で働かされる人々や子供たちがいるのが事実。産地を明らかにすることで、そういった問題を回避出来ているブランドは一部あるが、透明性の確保が難しいジュエリー産業には未だにその事実が存在している。しかし、Tom Woodに使用される貴金属は100%リサイクルされたものを使用している。2024年には、ダイヤモンドを100%、カラーストーンを30%追跡可能な状態にすることを目標としている。これらの宝石はResponsible Jewellery Council(RJC)認定を受けているサプライヤーから仕入れている。全てのデータが数値化されており、消費者にとって透明化されていることは、商品を選ぶ際に大きな安心材料となる。
もの(Product)・人(People)・地球(Planet)のための3つの「P」
サステナブルであることを重要視するTom Woodのジュエリーは、独自の伝統を途絶えさせないジュエリーの製造方法にたどり着く。「生産」の過程において責任を持ち、持続可能なものづくりを徹底しながら、同時にクラフトマンシップと最新技術を合わせ、伝統文化を守りつつ革新的な技法を創り上げている。その例となるのが、3Dプリンターとレーザー彫刻機を備えたアトリエに投資していることだ。3Dプリンターを使うことでデザインからサンプル作成まで効率的に仕上げることができる。そこに従来の鋳造方法(融点より高い温度で熱した液体化した金属を型に流し込む方法)を取り入れ、より合理的にジュエリーができあがる。最新テクノロジーと革新的なクリエーションを積極的に取り入れることで多くの従業員の雇用を生み出すTom Woodの工房では必然的に職場環境の良さを重要視することに繋がる。10の国籍から形成されるチームは、多様なバックグラウンドから生まれる労働力のハーモニーとなり、よりクリエイティブでベターなアイデアを生み出す。設立者のモナ・ヤンセンをはじめ、経営陣の53%が女性で、男女平等を今後も維持していくことを目標としている。2024年以降は、取締役員のメンバーの1/3を女性にすることも決定された。全ての雇用者に平等にチャンスが与えられ、お互いを高め合うチームは無限大の可能性を秘めており、これからの成長は計り知れない。Tom Woodでは、チームが一丸となり環境問題に取り組んでいる。全体的な2023年の温室効果ガスの排出量は356tCO2eで、これは前年度に比べると22%の削減に成功している。ジュエリーの生産の温室効果ガスの削減率は79%の削減を実現。リサイクル金属を使用したことが、削減達成の大きな要因となる。
国外唯一の店舗は再生エネルギーが稼働する南青山のオアシス
Tom Woodは、東京都南青山に母国以外では唯一の店舗を構えている。モダンな空間には、設立者のモナ・ヤンセンのこだわりがつまっている。電力はソーラーパネルを用いた再生可能エネルギーでまかなっている。真っ白な空間に映えるシルバーの什器はアルミニウムなど、再利用可能で長持ちする素材を使用。ツーフロアで構成されており、1階では青山店限定のアイテムやアーカイブ商品が並ぶ。2階は、完全招待客しか入れない秘密の花園のような空間に、モナ・ヤンセンがセレクトした家具やアート作品が並ぶ。山本大介氏の家具や、廃材を使ったダイニングテーブルで作られた空間は1階とは全く異なる顔を持つ。「商品だけでなく、文化やエネルギーまでも分かち合える空間を作りたい」サステナブルで機能的、センスの詰まった旗艦店はゲストたちに新たな世界観を与えるだろう。
Tom Woodの持つ思考は、我々の心に深く刺さる。大量生産・大量廃棄が当たり前になった今、まるで「なにをしているの?」と訴えかけているような徹底された取り組み。他人事とせず、自らが世界を変えていくというような試み。一人一人が責任を持ち、課題に向けて真剣に向き合えば、小さなことも大きな変化へと変わっていくだろう。
writer
Atsushi Nakayama
1995年生まれ。高知県出身。アメリカ留学後、オーストラリアでワーキングホリデーを経験。2024年Tender Party参加。サステナブルとファッション関連担当。時々モデル。時々キャットシッター。
BRAND NAME
Tom Wood
トム・ウッド
COMPANY NAME
SHOWROOM: Steady Study
ショールーム: ステディ スタディ
INFORMATION
93カ国の人々が在籍し、従業員の77%および、指導的地位の36%が女性。
30年までにパッケージを完全に認証済みまたはリサイクルされた素材に移行し、完全にリサイクル可能または堆肥化可能にする。
2024/11/06
BRAND NAME
MYKITA
MYKITA
COMPANY NAME
SHOWROOM: Pred PR
SHOWROOM: Pred PR
INFORMATION
All frames are handmade at MYKITA HAUS in Berlin. The stainless steel used for the frames is 90% recycled material. 2022 is the first year for the eyewear industry to fully transition from traditional acetate to sustainable acetate renewal.
2024/11/06
BRAND NAME
SERGIO ROSSI
セルジオ ロッシ
COMPANY NAME
SHOEROOM: Steady Study
ショールーム: ステディ スタディ
INFORMATION
従業員の63%は女性、37%は男性で、技術者と職人の61%は10年以上勤務。イタリアの工場、施設、店舗での電力を100%再生可能資源から生産し、1,260トン以上のCO2を削減。(23年時点)
2024/11/05
BRAND NAME
SWAROVSKI JEWELRY
スワロフスキー ジュエリー
COMPANY NAME
SHOWROOM: Steady Study
ショールーム: ステディ スタディ
INFORMATION
温室効果ガスの排出量22%減。生産過程において53%再生可能エネルギーを使用。
金や銀は100%リサイクルされたものを使い、トレーサビリティ100%達成。
経営陣の50%が女性。
2024/11/06