わたしたちの生活に欠かせない消耗品であるスキンウェア。なんとなく引き出しから引っ張り出し、当たり前のように毎日使用する。そして、深く考えず使い古したものから捨てていく。スキンウェアは、わたしたちの生活に溶け込んだ存在だ。
そんなスキンウェアに革新的な技術を用いて、進化をもたらすブランドがある。Wolfordは、1950年にオーストリアのブレゲンツに設立された。設立から50年以上が経った今も、世界中の女性を虜にし続けるスキンウェアブランドである。
Wolfordが進化の過程で魅せた違い
設立以来、純シルクとレーヨンなどの最高級の素材と職人技で常に改良をし続け最高品質のプロダクトを編み出してきたWolford。ディスコが世を旋風しカラータイツが流行った1977年に発売された透明なタイツのミス・ウォルフォードから、2014年に発売された縫い目がなくタイトな洋服にぴったりのピュア50タイツなど、どの製品も履きごごちの良さはもちろん、機能性が高く、あらゆる場面で活躍する女性をサポートしている。
そんな中、2018年にはゼロウェイストコレクションとして「オーロラライン」を発表した。世界的に見てもエコフレンドリーなヨーロッパ圏のブランドだからこそ、重要なコレクションのローンチとなる。
持続可能な世界を可能とさせるオーロラ
オーロラコレクションは、「生分解性」と「リサイクル」2つの大きなキーワードを基により持続可能な未来に向けてのアイテムが開発されている。1つ目のキーワード「生分解性」では、ストレッチ性が高く生分解性のある「ROICATM」や、サステナブルな森林から採れたセルロース繊維(生分解性が高い)のテンセルTMモダールを生地に使用している。再生可能な木材ブナを材料とし、オーストリアをはじめとしたヨーロッパ諸国の自然な植林法で厳格に育てられた素材のみを使用している。こうした素材は廃棄後に土の中で自然に分解され、微生物や植物の栄養となったり、土を豊かにしたりする。ゆっくりと時間をかけ、自然に還っていくのだ。Wolfordは、本国の一部の店舗でオーロラコレクションの回収を行っている。消費者に届ければそこで終了ではなく、消費者が使い終わったストッキングをWolford側に戻すことで、循環という一つのサークルができあがるのだ。
2つ目のキーワード「リサイクル」では、漁業で使用されたフィッシュネットをリサイクルし作られた「エコニール®︎」を使用したり、使われなくなったスキンウェアを回収し、生地を解いてまた新たな繊維を作ったりしている。本来であればただ捨てられるはずだった廃棄物に再び息を吹き込み、新たな商品となって永久的に素材を再生することができる。
更にオーロラコレクションは、全てのアイテムがCradle to Cradle(C2C)でゴールド認証を受けている。EPEA(ドイツ環境保護促進機関)の認証であるC2Cには、「ゆりかご(地球)からゆりかご(地球)まで」をコンセプトに地球から生まれたものを廃棄場に捨てるのではなく地球に環そうという意味が込められている。
C2C認証は①「材料の健康性(material health)」②「再利用可能であること(material reutilization)」③「再生可能エネルギーとカーボンマネージメント(renewable energy and carbon management)」④「水の管理(water stewardship)」⑤「社会への貢献(social fairness)」を満たす必要があり、プラチナ・ゴールド・シルバー・ブロンズでランク分けされている。ゴールド認証を受けたWolfordは今も更なる高みを目指し、日々研究を重ね地球に優しい素材の開発や導入を目指している。
全ての女性のために
Wolford のスキンウェアはただ環境に優しく配慮したものではない。全ての女性のニーズに応えられるような、いわば女性の生きやすさをサポートする商品を提案している。男女平等だと唱えられ社会進出をしながらも賃金の格差が残り、家事の比重がまだ偏りがちな不均衡が残る現代において、女性の自己肯定感が上がり自分自身に自信が持てるようにとアイテムでエールを送り続ける。こうしたプロダクトは、多様性に富んだチーム構成から生まれている。50の国籍がWolford社には在籍しており、より顧客の理想を理解しやすい環境となっている。また、2023年の年末には社内でディレクションやヘッドポジションなどを務める女性の数値は半数以上の57%と報告されている。インクルーシブでダイバーシティな会社だからこそ、全ての女性の要望に耳を傾けられるのではないだろうか。
Wolfordのチャレンジはまだまだ終わらない。2025年までには、全アイテムの50%をC2C認証に切り替えていくと発表している。いつの時代にも寄り添うようなタイムレスなスキンウェア。今までただ単に消耗してきたスキンウェアを購入し続けるのではなく、永久的に私たちに寄り添ってくれるWolford社のようなプロダクトを使う選択肢が増えた。
writer
Atsushi Nakayama
1995年生まれ。高知県出身。アメリカ留学後、オーストラリアでワーキングホリデーを経験。2024年Tender Party参加。サステナブルとファッション関連担当。時々モデル。時々キャットシッター。
BRAND NAME
HIZUME
ヒヅメ
COMPANY NAME
J.B.K.SAS
ジェービーケーエスエーエス
INFORMATION
UPCYCLINGプロジェクトとして1枚の古着シャツから新たな帽子に手作業で作り替えたり、
サステナビリティを考慮しリアルファーではなく、イミテーションファーを使用して帽子を製作。
Q_1
企業のサスティナビリティ目標を教えてください。
良い物をより長く使って頂ける物作りに取り組んでいます。
Q_2
環境負荷の低い生産背景を実現するために貴社が現在最も積極敵に取り組んでいることを教えてください。
リメイクや残布を再構築するなどできるだけ廃棄が少なるなるように心かけています。
2024/11/06
BRAND NAME
Séfr
セファ
COMPANY NAME
SHOEROOM: Sakas PR
ショールーム: サカスピーアール
INFORMATION
生地選びにおいて強いこだわりを持つ。全ての製品は、品質とサステナビリティを守るためヨーロッパで生産されており、契約している工場の多くが彼らのブランドと共に成長し続けている。
2024/11/06
BRAND NAME
KWANPEN
クワンペン
COMPANY NAME
SHOWROOM: MAISON DIXSEPT
ショールーム: メゾン・ディセット
INFORMATION
希少性の高い高品質のクロコダイルのセンターカットを使用したハンドバッグは1938年から継承されるクラフトマンシップで、最低30時間以上かけて手作業でつくられる。シンガポールが世界に誇る最高峰のクロコダイルブランド
2024/11/05
BRAND NAME
SWAROVSKI JEWELRY
スワロフスキー ジュエリー
COMPANY NAME
SHOWROOM: Steady Study
ショールーム: ステディ スタディ
INFORMATION
温室効果ガスの排出量22%減。生産過程において53%再生可能エネルギーを使用。
金や銀は100%リサイクルされたものを使い、トレーサビリティ100%達成。
経営陣の50%が女性。
2024/11/06
BRAND NAME
KIJIMA TAKAYUKI
キジマ タカユキ
COMPANY NAME
MODISTE CO,LTD
モディスト
INFORMATION
自社アトリエで生産される帽子は大量生産型ではなく、木型を用いて一つ一つの工程を全てハンドメイドで製作 ユーズドのハットやデッドストックの材料を活用したアップサイクルプロジェクト『アンサーイット』を2022年より始動
Q_1
企業のサスティナビリティ目標を教えてください。
廃棄物の削減とリサイクル、リユースの促進
メンテナンスや修理サービスによる製品寿命の延長化
Q_2
以下項目において、貴社の取り組み目標と現在の達成率をわかる範囲でお聞かせください。
—— 温室効果ガス排出量削減に関する取り組み
⚫︎GOALS [目標]未設定
⚫︎ ACHIEVEMENT RATE [達成率]—— 労働条件改善への取り組み
⚫︎GOALS [目標]フレックスタイム導入、オープンドアポリシー
⚫︎ ACHIEVEMENT RATE [達成率]60%
—— 生物多様性への取り組み
⚫︎GOALS [目標]未設定
⚫︎ ACHIEVEMENT RATE [達成率]—— 人種及び性的マイノリティへの格差撤廃
⚫︎GOALS [目標]ダイバーシティ推進とハラスメント教育
⚫︎ ACHIEVEMENT RATE [達成率]40%
Q_3
環境負荷の低い生産背景を実現するために貴社が現在最も積極的に取り組んでいることを教えてください。
① エコフレンドリーな原材料の剪定
② 廃棄物の最小化
2024/11/06