Fashion

2024.10.04

スキンウェア界のゲームチェンジャー。女性の生き方を支えるWolfordの清廉なエナジー

photographer:JUN YASUI
stylist:JUNKO KOBASHI
hair:WAKA ADACHI
makeup:NAO YOSHIDA
model:ALEX STEIN
text: ATSUSHI NAKAYAMA

スキンウェア界のゲームチェンジャー。女性の生き方を支えるWolfordの清廉なエナジー

わたしたちの生活に欠かせない消耗品であるスキンウェア。なんとなく引き出しから引っ張り出し、当たり前のように毎日使用する。そして、深く考えず使い古したものから捨てていく。スキンウェアは、わたしたちの生活に溶け込んだ存在だ。
そんなスキンウェアに革新的な技術を用いて、進化をもたらすブランドがある。Wolfordは、1950年にオーストリアのブレゲンツに設立された。設立から50年以上が経った今も、世界中の女性を虜にし続けるスキンウェアブランドである。

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BODYSUIT WOLFORD TRENCH SHIRT JACKET PROTOTYPES | TROUSERS SEFR | HAT HIZUME | SHOES STYLIST’S OWN

Wolfordが進化の過程で魅せた違い

設立以来、純シルクとレーヨンなどの最高級の素材と職人技で常に改良をし続け最高品質のプロダクトを編み出してきたWolford。ディスコが世を旋風しカラータイツが流行った1977年に発売された透明なタイツのミス・ウォルフォードから、2014年に発売された縫い目がなくタイトな洋服にぴったりのピュア50タイツなど、どの製品も履きごごちの良さはもちろん、機能性が高く、あらゆる場面で活躍する女性をサポートしている。
そんな中、2018年にはゼロウェイストコレクションとして「オーロラライン」を発表した。世界的に見てもエコフレンドリーなヨーロッパ圏のブランドだからこそ、重要なコレクションのローンチとなる。

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LEFT: BODYSUIT WOLFORD | CARGO PANTS DIESEL | HAT HIZUME | BELT DEHANCHE RIGHT: LONG COAT, LEATHER JACKET Séfr | BODYSUIT WOLFORD | BAG KWANPEN | GROVES, SHOES STYLIST’S OWN

持続可能な世界を可能とさせるオーロラ

オーロラコレクションは、「生分解性」と「リサイクル」2つの大きなキーワードを基により持続可能な未来に向けてのアイテムが開発されている。1つ目のキーワード「生分解性」では、ストレッチ性が高く生分解性のある「ROICATM」や、サステナブルな森林から採れたセルロース繊維(生分解性が高い)のテンセルTMモダールを生地に使用している。再生可能な木材ブナを材料とし、オーストリアをはじめとしたヨーロッパ諸国の自然な植林法で厳格に育てられた素材のみを使用している。こうした素材は廃棄後に土の中で自然に分解され、微生物や植物の栄養となったり、土を豊かにしたりする。ゆっくりと時間をかけ、自然に還っていくのだ。Wolfordは、本国の一部の店舗でオーロラコレクションの回収を行っている。消費者に届ければそこで終了ではなく、消費者が使い終わったストッキングをWolford側に戻すことで、循環という一つのサークルができあがるのだ。

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ECO VEGAN BODYSUIT WOLFORD | BAG KWANPEN | NECKLACE SWAROVSKI JEWELRY | GROVES, TIGHTS, SHOES STYLIST’S OWN

2つ目のキーワード「リサイクル」では、漁業で使用されたフィッシュネットをリサイクルし作られた「エコニール®︎」を使用したり、使われなくなったスキンウェアを回収し、生地を解いてまた新たな繊維を作ったりしている。本来であればただ捨てられるはずだった廃棄物に再び息を吹き込み、新たな商品となって永久的に素材を再生することができる。
 
更にオーロラコレクションは、全てのアイテムがCradle to Cradle(C2C)でゴールド認証を受けている。EPEA(ドイツ環境保護促進機関)の認証であるC2Cには、「ゆりかご(地球)からゆりかご(地球)まで」をコンセプトに地球から生まれたものを廃棄場に捨てるのではなく地球に環そうという意味が込められている。
 
C2C認証は①「材料の健康性(material health)」②「再利用可能であること(material reutilization)」③「再生可能エネルギーとカーボンマネージメント(renewable energy and carbon management)」④「水の管理(water stewardship)」⑤「社会への貢献(social fairness)」を満たす必要があり、プラチナ・ゴールド・シルバー・ブロンズでランク分けされている。ゴールド認証を受けたWolfordは今も更なる高みを目指し、日々研究を重ね地球に優しい素材の開発や導入を目指している。

全ての女性のために

Wolford のスキンウェアはただ環境に優しく配慮したものではない。全ての女性のニーズに応えられるような、いわば女性の生きやすさをサポートする商品を提案している。男女平等だと唱えられ社会進出をしながらも賃金の格差が残り、家事の比重がまだ偏りがちな不均衡が残る現代において、女性の自己肯定感が上がり自分自身に自信が持てるようにとアイテムでエールを送り続ける。こうしたプロダクトは、多様性に富んだチーム構成から生まれている。50の国籍がWolford社には在籍しており、より顧客の理想を理解しやすい環境となっている。また、2023年の年末には社内でディレクションやヘッドポジションなどを務める女性の数値は半数以上の57%と報告されている。インクルーシブでダイバーシティな会社だからこそ、全ての女性の要望に耳を傾けられるのではないだろうか。
 
Wolfordのチャレンジはまだまだ終わらない。2025年までには、全アイテムの50%をC2C認証に切り替えていくと発表している。いつの時代にも寄り添うようなタイムレスなスキンウェア。今までただ単に消耗してきたスキンウェアを購入し続けるのではなく、永久的に私たちに寄り添ってくれるWolford社のようなプロダクトを使う選択肢が増えた。

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OFF SHOULDER DRESS, SHOES GIA STUDIOS DOTS | TIGHTS WOLFORD | HAT KIJIMA TAKAYUKI

【出典】
https://ginzamag.com/categories/fashion/232817
http://www.wolfordshop.jp
https://www.neol.jp/fashion/9791/
https://www.wolfordshop.jp/aurora/about-aurora
https://ideasforgood.jp/glossary/c2c/
https://company.wolford.com/wp-content/uploads/2024/07/000_W_SUSTAINABILITY_REPORT_2023_EN.pdf
https://www.wolfordshop.jp/news/detail?news=id120&apias_s_id=31404
https://www.tencel.com/images/assets/downloads/TENCEL_Brochure_v1.4_JP-1.pdf
https://time.com/5680431/tights-fashion-history/

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writer

Atsushi Nakayama 

1995年生まれ。高知県出身。アメリカ留学後、オーストラリアでワーキングホリデーを経験。2024年Tender Party参加。サステナブルとファッション関連担当。時々モデル。時々キャットシッター。