Fashion

2024.10.04

Sea New York: ファン達とフェミニンでサステナブルへ

photographer:DAEHYUN IM
fashion director:JUNKO KOBASHI
hair make:YOKO OKUNO
Model:ALEXA Z
text:ATSUSHI NAKAYAMA

Sea New York: ファン達とフェミニンでサステナブルへ

繊細なレースのボレロ、ボヘミアンなドレス、ビジューをあしらったジャケット、どれも女性心にときめきを持たせ、それぞれの洋服に合うオケージョンを想像することが楽しくなるようなアイテム。「明日のパーティーにはこの一張羅を着て出かけたい」だったり「明日のプレゼンはこのフォーマルな装いで勝ち抜く」そんな特別な一点が見つかるようなブランドがSea New York。誰かのことを思いながら着る服も素敵だが、自分のためだけに、まるでご褒美のような、洋服を着る選択肢があることもいい。さて、週末は何を着て出かけよう。

一貫したスタイルでファンとの交流を絶やさない

Sea New Yorkは、モニカ・パオリーニ(Monica Paolini)とショーン・モナハン(Sean Monahan)が手がけるブランド。2007年の設立当初は、ショーン1人でブランドを立ち上げ、モニカはフルタイムで別の仕事する傍ら、週末にSea New Yorkの仕事をしていた。2009年にモニカが完全にフルタイムでSea New Yorkで働くようになってからは、二人三脚で15年の時を経た今も、世界中にファンを構えるブランドへと育て上げた。幼馴染で同じ環境で育ってきた2人だが、モニカの持つヴィンテージに対する確かな目とショーンのモダン且つクリーンなスタイルが相まってSea New Yorkならではの独自の展開をみせる。そんな2人がブランドを通して大切にしているキーワードが「Consistency(一貫性)」。ブランドの設立から変わらないビジョンを今日まで世界中へと発信している。
 
Sea New Yorkがここまで大きなブランドに成長したにも関わらず、他のブランドと違うことはファンとの距離感も大きい。インスタグラムなどのSNSやポップアップイベントを通してファンと交流することでコミュニケーションを取り、リアルな消費者からのフィードバックを大切にしている。世界中からフィードバックが届くことで、彼らの着こなしは次に発表するインスピレーションにもなる。長く続いているブランドだからこそファンの声に耳を傾け、それを反映させるという理想的な関係性がある。

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LACE DRESS SEA NEW YORK

世界の地方に続く伝統を尊重したデザイン

Sea New Yorkといえばフェミニンなルックスが特徴的だと言えるが、まるでお気に入りのヴィンテージショップで見つけてきたかのようなどこか懐かしいレトロさがある。デザイナーのモニカは昔からヴィンテージが好きで、収集家だったこともありレースや刺繍ナプキンを世界中から集めていた。それがいつの間にか、Sea New YorkのDNAになっている。また、伝統的なクラフトマンシップをリスペクトし、デザインに落とし込んでいることもまた一つの特徴。2024年の春夏コレクションにあるレースのアイテムは、インドの村に住んでいるアーティストによって手掛けられたもので、模様が一点一点違う。また同シーズンのデニムには、日本の刺し子からアイディアを受けたアイテムもある。世界中の各地方から刺繍や素材を集め、伝統を尊重し、自らのブランドに落とし込んでいく。それは、まるで「旅する洋服」のように、アイテムを購入した人だけが得られるのではなく、生地が作られた場所の人の思いや歴史が、Sea New Yorkのドレスとなりパンツとなり、世界中を飛び歩いていくということ。

持続可能性と社会問題への積極性

そんなSea New Yorkは、持続可能性にも力を入れている。伝統的文化を守ることはもちろんだが、環境に負荷がかからないような工夫もしている。オーガニックコットンやリネンなどの環境に優しい素材やリサイクル素材を使用し、生産過程において排出される廃棄物の削減に挑んでいる。二酸化炭素排出量を減らすため、なるべくローカルの生産者を選択している。またファストファッションが繰り出す「トレンド」に囚われないような、時代を超えても長く着用できる耐久性のあるタイムレスなデザインも特徴的である。安く消費を繰り返すような洋服ではなく、生産に責任を持ち、少しでも多くの女性の一生に添い遂げられる、親から子へバトンが受け継がれるようなクリエイションを行っている。
 
社会的問題にも取り組んでおり、多くの慈善団体と共に働いている。その一つとして挙げられるのが非営利団体である「Dress for Success」だ。失業した女性たちのために、キャリアやTPOに合う服装を提供している団体で、女性の経済的自立をサポートしている。Sea New Yorkとファンが一丸となり、よりサステナブルなファッションを開拓しているのだ。そして、これからも彼らの環境に優しいものづくりの道は続いていく。

【出典】
https://soen.tokyo/interview/seanewyork/
https://www.fashion-press.net/brands/1297#
https://sea-ny.com/pages/about-us
https://prefontaineshop.com/blogs/news/sea-clothing-eco-friendly-fashion?srsltid=AfmBOoqScE0a3eVCEBCc-irCVcs8iE42tFMMmqVnADA8N435bhiNxTHA
https://prefontaineshop.com/blogs/news/sea-clothing-journey-nyc-to-world?srsltid=AfmBOooQYTTrbX5r3rthRMphVIy1WMrMExpa0Sbj6NJ6J5aUPN1CqMdt
https://fashionpost.jp/portraits/300151
https://dressforsuccess.org/about-us/

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writer

Atsushi Nakayama 

1995年生まれ。高知県出身。アメリカ留学後、オーストラリアでワーキングホリデーを経験。2024年Tender Party参加。サステナブルとファッション関連担当。時々モデル。時々キャットシッター。