Fashion

2024.10.04

SAYEと共にサステナブルな未来へ

photographer:IM DAEHYUN
stylist:JUNKO KOBASHI
hair & make-up:YOKO OKUNO
model:ALEXA Z
words:ATSUSHI NAKAYAMA

SAYEと共にサステナブルな未来へ

「良い靴は素敵な場所に連れて行ってくれる」というようなことわざがあるように、自分の好きな靴を履けば自然とワクワクするし、どこか足元も軽い。運動をする時、旅をする時、大切な人と過ごす時、目的は違えど靴がなければ目的地に辿り着くことさえ難しい。わたしたちの生活にとって必要不可欠でありながらも、心が踊るようなエッセンスを与えてくれる靴が、仮に環境に優しく作られた靴であればどうだろう。素敵な場所に連れて行ってくれることはもちろん、自分自身の購入が環境を守るためのきっかけとなる。SAYEは2018年にバルセロナでローンチされた、ヴィーガンスニーカーを筆頭にアパレルグッズなども扱うブランド。スニーカーは、ローカットスニーカーをベースとし、様々なカラーバリエーションを楽しむことができ、男女関係なくお気に入りの一足が見つかるはず。そんなSAYEのスニーカーがわたしたちを連れて行ってくれる未来の先にあるものとは。

ファッション業界が抱える環境破壊問題の5分の1は靴産業という事実

SAYEのスニーカーの最も大きな特徴として挙げられるのが、環境に優しい素材を使用していること。とうもろこしやりんごを原料にしたコーンヴィーガンレザーやアップルヴィーガンレザー、オーガニックコットンにリサイクルされたペットボトルを原料に作られた糸、創業以来リサイクルもしくはバイオベースの素材の使用を徹底している。「環境と人々に優しいヴィーガンレザースニーカーを提供することで意味あるライフスタイルを推奨する」ことを目的としている。
 
SAYEによると、靴産業はファッション業界が抱える環境破壊問題の5分の1の原因となっており、気候変動には1.4%以上の影響を与えている。これらの問題を真摯に受け止め、解決に近づくようSAYEはチャレンジしている。例えば、プラスチックを使用しないために、現在もイノベーティブでバイオベースもしくはリサイクルされたマテリアルを探し続けている。2022年にはファッションをサステナブルなプラットフォームでサポートするBComeとパートナーシップを提携した。結果として、原材料から消費者の手に渡るまでの過程で環境にどれほど負荷がかかっているか測定し、生産プロセスが循環できるような明確なビジョンを得た。こうして誕生した環境に配慮されたスニーカーは、女性たちによって築き上げられている。

マネージャー枠は100%女性。職場内の男女平等を徹底した労働姿勢

SAYEで働くメンバーの平均年齢は約29歳と、とても若くフレッシュなチームだ。そのうちの82%が女性メンバーで、マネージャー枠は100%女性で構成されている。また、スペインのブランドにもかかわらずメンバーの64%がスペイン外の出身である。エネルギーに満ちた若いチームは一丸となり、ヴィーガンスニーカーを経てより良い世界を導くことを目指している。職場内の男女平等やいかなる差別も許さない。創業以来、持続可能な製品であることとSAYEにかかわるサプライヤーやチームの幸福度を重要としている。サプライヤーは、スペインとポルトガルを拠点においており、SAYEの価値観に合った公平性や透明性を保証している。これらは国際的に認められた労働基準となっており、国際労働機関-ILO(International Labour Organization)の原則に準じている。スニーカーのほとんどがポルトガルで製造され、HQのあるスペインではサステナブルなパートナーの追求を行っている。労働環境が良ければ、従業員はさらに仕事に情熱的になり、環境に負荷のかからない素晴らしいスニーカーの誕生に繋がる。現在HQは15名というとても小さなチームだが、彼らの作るインパクトはヨーロッパを飛び越えてしまうほど大きい。

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LONG DRESS GANNI

地球、そして全ての地球上の生物のためにできること

森林は地球上の31%を覆っており、酸素や人々または周辺に住む動物たちの居場所を提供している。しかし、国際連合食糧農業機関によると、人々は年間でベルギー・オランダ・ルクセンブルクを合わせた広さの森林を破壊しているそうだ。そこで、SAYEは、スニーカーを一足購入するたびに2本の木の成長に対する費用を投資している。これまでに植えた木の数は32万本以上になる。SAYEの行っている植林活動はただ単に気候変動に対して効果を及ぼしているのではない。南米やアフリカの国々に植えた木は、現地にいる人に仕事を与え、エコシステムの回復に繋がり、絶滅危惧種の動物の住居となる。結果として、合計365.7日分の仕事をローカルに与え、貧困に直面している農家を56%から8%に減らすことに成功した。
製造面では、業界に比べて水の使用量を55%減らし、46%分の電気の使用量を節約、46%分の化石燃料を節約している。製造面においてもぬかることなく、業界に衝撃を与え「変化」のサインを送り続けている。
「スニーカーを購入すれば、植林活動に参加できる」とてもクレバーで消費者を巻き込んだアクション。人間の手によって一度は荒れ果てた地へ、新たな生命が芽生え、豊かな緑となる。近い未来、SAYEのスニーカーはわたしたちを生まれかわった緑の広がる未来へと連れて行ってくれるだろう。

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LONG DRESS GANNI | SHOES SAYE

【出典】
https://www.sayebrand.com/pages/ethical-manufacturing
https://www.sayebrand.com/pages/traceability
https://sayebrand.factorialhr.es
https://cdn.shopify.com/s/files/1/0070/1884/0133/files/SAYE_-_CODE_OF_CONDUCT.pdf?v=1703846295
https://www.sayebrand.com/pages/our-impact
https://www.sayebrand.com/pages/reforestation-project
https://www.veritree.com/impact-hub/saye

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SAYE

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writer

Atsushi Nakayama 

1995年生まれ。高知県出身。アメリカ留学後、オーストラリアでワーキングホリデーを経験。2024年Tender Party参加。サステナブルとファッション関連担当。時々モデル。時々キャットシッター。